
ている。エンジン、甲板機械では、ノウハウの流出を危惧する比率が高い。規模別に見た場合、Bグループの6割が評価している。Aグループでは逆にノウハウ流出を危慎するが3割で、評価するの2倍に達している。
?まとめ
舶用工業の現状は、アンケートの分析から、次のような事が指摘できる。
?−1 情報化の遅れの問題:情報化は時代の流れととらえる中で、『情報化はあまり必要と感じていない』という回答が、専業化の比率の高いグループと企業規模の小さなグループに見られる。
業種別では甲板機械、電気機械・ポンプに比較的多く見られ、規模別では、Aグループでの高さが目立っている。
情報化投資比率から見てもこれらのグループでは低く、この点からも、情報化の遅れが指摘される。
?−2 情報化と経営者の役割の増大:経営者のトップダウンによる取組みが情報化推進の上で重要な役割を担っていることが幾つかの事例により明らかになっている。舶用工業が取組む課題として、経営者の意識改革をどう進めるかが大きなポイントとなる。
?−3 情報化のめざすところ:調査結果から、様々な取り組み姿勢と、対応の結果が明確になった。情報化のめざす対象は社内に限定され、積極的に外部との情報交換の手段として活用する例はまだ非常に少ない。
舶用工業を取り巻く環境は、急激に変化しつつあり、一企業で解決できる問題の範囲はますます小さくなりつつある。従って、業界全体の問題として受け止めた対応が今後一層必要となってくる。業界としては、全体のレベルアップを図る情報インフラの整備を促進し、企業活動に関連する様々な情報の共有化や情報交換のルールの標準化を図り推進する必要がある。そのためには、行政と関係機関および業界が共通の認識をもち、対応を図る必要がある。
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